2009年06月26日

『空へ向かう花』 小路幸也

空へ向かう花 空へ向かう花

子供という存在は、大人が守らないといけない。
それは間違いなんかじゃない。
だけど、その守るべき子供に大人が守られている。
勇気づけられているってことがある。
なんだかわからないけど、子供にはそんな力がある。

この物語に出てくる主な登場人物である2人の男女の子供。
元気いっぱいなというタイプでなく、
心に傷をおっていて健気さを覚えてしまう2人。
この子供を見ていると、なぜ大人は守ってあげないのかと思う。
だけど、守ってあげないとと思っても、
どうすればいいのかわからないことだってある。
上手くいかないことだってあるんだ。
どうしようもないことだってあるんだって。

それでもなんとかして守ってやろうと心に決めて、
必死にやってやれば子供にだって伝わる。
物語であるなら読者にだって伝わる。
2人の子供を守るために出てくる2人の大人の優しさ、力強さは、
幼いころ僕を守ってくれていたであろう色んな人を思い出させる。
物語に出てくる、この二人の子供をどうにかして
幸せにさせなくてはと動く2人の大人の存在には救いを感じた。

現在はっきり言うと、自分のことだけでいっぱいいっぱいで
他人の世話なんて大層なことなんて僕には過ぎたことなんだけど、
それでも守ってやらなきゃって。
子供は弱い存在からだとか、
可愛いとか純粋とか、その姿や仕草から思うのもそうなんだけど。
子供独有のキラキラした目で見つめられると、どうしても。
その目が薄暗くどんよりしているならなおのこと。

子供の頃の気持ちを思い出すのと同時に、
大人となった今を強く感じさせた一冊だった。
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2008年10月26日

『スタンド・バイ・ミー―東京バンドワゴン』 小路幸也

スタンド・バイ・ミー―東京バンドワゴンスタンド・バイ・ミー―東京バンドワゴン

なんだかね、心がほんわか暖かい。
シリーズ3作目にもなるので、どんな風に物語が展開するとか、
どんなミステリーが待っているんだろうかとか、
そんなこと全然気にしなくなってしまったんだけど、
ちょっとこの、おっきな家族達を眺めていたいという気になっている。

『東京バンドワゴン』3作目、スタンド・バイ・ミー。
スタンド・バイ・ミーといえば、映画や小説で言えば、スティーブン・キング。
楽曲でいえば、ベン・E・キング。

そばにいて欲しい。

ただ、そばにあるだけでいい。
家族のあり方として僕はこういうことを望む。
ただあるだけで、絶対的な安心感がある。
だって、生まれたときからずっとあったものだから。
この物語の大家族達は、そんな気持ちなんじゃないだろうか。
例え家から離れていても、いつだって助けてやる。
信頼とかじゃなくて、そういうものだから。
家族だけじゃなくて、知り合いだって助けてやろう。
下町人情みたいな、そんな雰囲気がかもし出されていた。
例えて言うなら、ホームドラマ。そしてLOVEが流れている。
結局は色んな愛ってやつで出来ているんだろう、このドラマは。


関連作品感想リンク
『東京バンドワゴン』
『シー・ラブズ・ユー―東京バンドワゴン』
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2008年03月15日

『カレンダーボーイ』 小路幸也

カレンダーボーイカレンダーボーイ


三億円を、ふんだくれ!
この説明だけだと、あの有名な三億円事件を思うだろう。
でも、この物語はタイムトラベルの話でもあったりする。
しかも2人の幼馴染の。
家族の話で、恋の話で、男の友情の話。

2006年→1968年
小路さんの作品らしい、古き時代へのノスタルジー
それに加えて、現在の大切な家族が描かれている。
どちらも無くすには、惜しすぎる存在。
今は、一番大切だけれど、あの頃は・・・という気持ちは捨てきれない。
今年、僕の通っていた幼稚園が廃園になるという。
今のご時世では仕方がないが、納得しきれないし、
忘れられるはずもない。ちょっと泣きそうになった。

話は戻って、このタイムトラベルは、
2006→1968→2006→1968・・・
というように、寝て起きたら変わるというもの。
このタイムトラベルの話は、
なぜ過去に戻ったかという点も重要な要素。
これは、どんな仕組みでとかいうことでなく、
どんな想いがあったかということ。

タイムトラベルにつき物なのが、タイムパラドックス。
もちろんこの話でも、それはついて回ってくる。
必ずつきまとうのは、過去を変えると未来が変わる。
それは、得ることでもあり、失うということでもある。
単に1968年でノスタルジー(といっても僕は生まれてない)
を感じるだけでなく、ラストでの変わってしまった未来。
もしくは現在によるノスタルジーが、とてつもなく悲しかった。

物語では細かい点で、気になるところはある。
タイムトラベルや、3億円事件での描写。
3億円事件シーンは、大雑把というか端折った感じさえも。
何故かと思ったけど、こうすることでラストの余韻が、
変わってくるようにも思えた。
そういうところを書き込めば、
エンターテイメント作品ともなり得ただろうに、
そこを省くことで「失われる」ということを強く感じられた。
タイムトラベルに関しては、謎めいたほうが、ファンタジー。
決してサイエンスティックでなく、良かったかもしれない。
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2008年03月11日

『HEARTBLUE』 小路幸也

HEARTBLUE (ミステリ・フロンティア 40) HEARTBLUE

この作品は、同作者の『HEARTBEAT』の続編。
その前作を読んだ時、不安でドキドキしていたと、
僕はブログに書いていた。その時の感想→『HEARTBEAT』

今回読んだ時も、ものすごい不安でドキドキしていた。
内容がなかなかに、重たそうな罪なことへの不安、
そして僕自身が、就職して働くという不安。
引越し伴うこと決定。
相変わらず、ブログ作者の精神状態が不安定なブログです。

世界観は、続編だけあって、前作の『HEARTBEAT』と同じ。
前作が好きな人は、すんなり入れると思う。
今回も行方不明の人物を探すことから、物語が始まっていく。
だけど、テーマは確実に重い。
でも読み終わった後は、暗いとか重いという面もあるけど、
未来に希望が持てるような話だった。
それにしても、人というのは、
他人の心に、強い何かを残せるものだなと感じた。
そして、伝えようとしてるんだなと、
前作と同じ、せつない感情を覚えた。

ちなみに舞台は、アメリカ。幽霊話もあり。
ということは、前作のあの人物も?
また、続編が出てもおかしくないような。




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2007年07月23日

『シー・ラブズ・ユー―東京バンドワゴン』 小路幸也

シー・ラブズ・ユー―東京バンドワゴンシー・ラブズ・ユー―東京バンドワゴン

タイトル通り、前作『東京バンドワゴン』の続編。
前作を読んだ色んな人が、続編があるといいなと言っていたけど、
その期待に答えるかのように、さわがしい家族が帰ってきた。

今回も、前作と同じように、春夏秋冬を通じて、
東京バンドワゴンの家族を描いている。
東京バンドワゴンという店を舞台というより、
この店や人々を通じての事件が多いかなと感じた。

そして描かれるのは、人と人との絆。
家族や恋人、または近所の人とであったり、
やっぱり、ホームドラマだなって感じる。

物語があって登場人物がいるというより、
登場人物があって、物語があると思えるくらい、
人々が生き生きとしていて、
この人たちが、生き続ける限り、東京バンドワゴンの物語が
続いていくんじゃないかなって思えた。
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2007年07月20日

『そこへ届くのは僕たちの声』 小路幸也

そこへ届くのは僕たちの声そこへ届くのは僕たちの声

これは、やばい。
自分にブログを見直すと、近頃ネガティブさが全開。
一年間勉強してきたものの、試験日が近づいているのに加えて、
自分の学力が、まだまだなせいで、過去にないほどのネガティブ。
今後は、カラ元気前向きに行こう。

と、そんな元気をくれるのに、一番いいのは、
やっぱり、誰かが頑張る話。未来や希望を持てる話。
特に、子供たちの物語なら、なおさら。
そういう話に、弱いのです。
この物語は、少年、少女が主役な話。

子供にしかない力。
あるいは、子供の時しか、持っていない何か。
たぶん、みんな何かしらあるんだと思う。
それは、信じることだったり、好奇心だったり、夢見ることだったり、
あるいは、空想の友達だったり、
妖怪が見えることであったり。
この話では、声を聞こえるということがテーマ。
キーワードは「ハヤブサ」

それが、何かということは、読めばいい話で、
子供達の冒険譚というのは、どうしてもどこかで
自分の子供の時を思い出させて、切ないけれど
すごい勇気をもらえる。
子供の冒険というと、友情・努力・勝利みたいのを
ジャンプ黄金期に育った自分は思うけれど、
今は、それだけじゃなくて、切なさだったり、ノスタルジーを感じる。

いつか、子供は大人になるように、
子供の頃、持っていた何かを、失っていくかもしれない。
ただ、その時かつての自分に恥じないような大人になっていたいし、
子供の頃の気持ちを、せめて忘れないでいたい。

爽やかな風が通り過ぎ、静寂が残るような、
清清しさと同時に、ちょっぴり切ない話だった。
でも、大事なのは、次に進むことだ。
そんな風に思った。
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2007年06月07日

『Q.O.L』 小路幸也

Q.O.L.  Q.O.L

ほのぼのとしてるようで、ちょっとクールに。
男2人と女1人の共同生活。
ちょっとした、ひとにやさしく。

そんな、彼らには消し去りたいような過去を背負っている。
そしてあるきっかけから、復讐を考える。

復讐なんかより大事なことがあるとよく言うけれど、
復讐にとらわれた人には届かない。
そんなものにとらわれているように思えない人ほど、
心の中では、渦巻いているものがあるとも思える。

復讐というありふれたテーマ。
憎しみという負の感情。
そういったものを、ちょっと変わった手法で取り上げてみよう。
そんな意気込みが、感じられる話だった。

とはいえ、この話は別に復讐にとらわれた人の話ではない。
ちゃんと過去でなく、現実を見ているし、
悲しみとか憎しみに支配されているわけでもない。

だけど、復讐に至るまでには、それなりの出来事が、
ドラマが、トラウマがあったということなんだろう。
それは、たぶん消えることなんかないだろうから、
ちょっとした、きっかけで恨みを晴らしたくなるのかもしれない。

難しく考え出すと、結局全部が嫌になるかもしれないけど、
ちゃんと考える必要があるんだろう。
だからといって、ゴチャゴチャ考えると、生きるのが辛くなりそう。
シンプルなのが一番良い。
まあ、前に進める、色々あったけど生きていけるさと。
そうやって割り切れる生き方なら、なかなかに良さそうだ。
でも、忘れられるはずもないから、人間って難しい。






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2007年05月14日

『東京公園』 小路幸也

東京公園 東京公園

世の中色んな人がいるし、色んな考えがあって当たり前だと思う。
そういえば、この前久しぶりに公園に行って遊んでいたけど、
僕のように、もう夕暮れに友人と来て、童心に戻って遊ぶものもいれば、
お天道様の当たる昼間に、遊ぶ子供たち、
それを見守る大人たち、
ゆったり散歩するお年寄りたち、
さらにその中でも、一つの場所でも遊び方も楽しみ方も様々。
だから、僕みたいなやつもいたって、しゃーないだろうと思うが、
変わらなきゃと思う、自分もいる。

だから何だといわれても、あんまり意味はない。
ただ、そう思っただけ、別に何でもない。
結局、自分自身のことは、自分で動かなければ
何も変わらないし、何にも変わらない。
思うだけでは、何一つ動かないのだろう。
でも、思うことで募る思いがある。

何を望んでいるかさえ、わからないことだって
思うだけでも力になるかもしれない。
そこから、色んなものに繋がっていくかもしれない。
色んな人がいて、色んな人の思いが集まって、
色んな方向に動いていく。
そういうことも幸せだなって、読みながらしみじみと感じた話だった。


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2007年03月30日

『ホームタウン』 小路幸也

ホームタウン ホームタウン

大切な人たちがいて、忘れられない場所がある。
僕にとって、ホームタウンはそんなところだ。

大人は年をとり老けていき、子供は成長し大人になっていく。
街も、めまぐるしく変化していく。
しまいには、合併して元の地名ではなくなってしまった。
それでも、僕が育った街だ。
他のどんな場所にも変えられない。

しかし、この話の主人公は、ホームタウンに帰ろうとしない。
愛していないから?
違う、悲しい、いや憎悪すべき過去が、眠る街だからだ。
だが、主人公の妹とその婚約者が失踪してしまい、
その手がかりを探すため、彼は帰ってくる。

失われた家族から、新しい家族へ。
そんな、喪失から再生へと向かう、
罪や罰、様々な負の感情を抱えながらも、
大切なものを守ろうとする、
故郷のように、暖かい話だった。
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2007年03月16日

『HEARTBEAT』 小路幸也

HEARTBEAT HEARTBEAT


最近何か急激な運動をしたわけでもないのに、
就活の影響からか、寝る時、布団にくるまっていると
自分の将来を考えたり、自己PRを考えたり、
今までのことを振り返ったり、頭の中がモワモワとして
ドクドクと心臓の音が聞こえる。

未だに迷っている。今後の自分のことを。
行きたい場所はあるが、入れるという保障などない。
そんな時も、僕の心はやっぱりドッキン、ドッキン鳴っている。
面接の時なんかも、僕は顔には緊張や心配は出ないらしいが
それでも、心臓はドキドキ鳴っている。鼓動が聞こえる。
面接の人事の人からすれば、僕など何百、何千の内の一人で
取るに足らないように見る人もいるだろうが、
僕の心臓は鳴り続ける、存在証明をするように。

この小説の話も、そんな心の音のことを、信号を
ハートビートと呼んでいる。
私は生きてますよ、大丈夫ですよってさ
届けばいいなって。

かつての恋人と、
10年前の約束を果たすため故郷に帰ってきた主人公。
しかし、約束の場所には恋人は来なかった。
そこには、彼女の夫と名乗る人物がやってきて、
彼女が失踪したと告げる。

主人公は、かつての同級生と共に、その彼女は探す。
約束と再会の物語なのだが、
このハートビートが、かなりのキーワドとなっている。

読んでいると、ミステリー。
それにミステリ・フロンティアのシリーズでの出版なのだが
最後の方で、考えるだけ無駄なんだろうって表現が出たとき
ちょっと落胆したけど、なんだかんだ物語に引き込まれる、
さわやかなファンタジーの要素で溢れた話だった。

幻想的なんだけど、ちゃんと証明している。
色々な人々の間をぬぐって、
ここにあります、ここにいますよって。
幻なんかじゃないだということを、ハートビートで。
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2007年03月03日

『高く遠く空へ歌ううた Pulp town-fiction』小路幸也

高く遠く空へ歌ううた高く遠く空へ歌ううた

サブタイトルにPulp town-fiction.
前作『空を見上げる 古い歌を口ずさむ』の続編となっている。

前作同様、主役は子ども達。
その中心人物は、義眼のためギーガンと呼ばれている少年。
ぼく、また死体を見つけてしまったんです。
これで10人目なんです
そして子ども達は、気づかない内に事件に巻き込まれていく。
まるで虹の彼方のエメラルドの国へ向かうような
きらびやかな遊びと、冒険の話。

とはいえ、この物語の舞台となる世界は意外と狭い。
ましてやPulp townでさえないのだが、
前作の人物も少し出てきていて、同じ世界観になっている。

まあ、前作は、前作で上手くまとまっていて
これ以上の話はいらないと思っていたので、
続編だが、ガラリと人物や舞台も変えて個人的には良かった。
出てくる子どもたちも魅力的で、すごい好きになれる。
特に、ルーピーという子は好きだな〜。
とはいえ、ギーガンとルーピー以外の子どもたちは
ほぼ脇役になってしまって、なかなか魅力が伝わらなかったので、
これこそ続編が出て、周りのみんなの話をもっと知りたいと思った。
だからか、前作の方が僕は好きかな。

それと前作は、出来事を説明をしすぎていると感じたけど、
今回は、逆に説明をほとんどしていない。
もうちょっと、教えて欲しいと思うけど、
前作よりは、いいかなって思う。
だってこれは子ども達の話で、子ども達の目線のもので
最後まで、子ども達は子ども達のままで終わるのだから
子どもの目線で見た世界になっていて、
最後まで、不思議な出来事として完結していた。

アレってなんだったのかな?
よくわからなかったし、
辛いこともあったけど良い思い出だよね。
そんな風に子ども達が思い返すような、
どこか懐かしい気がする、物語だった。
読み終えた後、表紙を見ると感慨深い。
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2007年02月23日

『東京バンドワゴン』 小路幸也

東京バンドワゴン

明治から続いている下町古書店“東京バンドワゴン”
そこを舞台とする、おかしな四世代の大家族の物語。
ついでに、最近ではカフェもやっていますで、
古書だけでなく、おかしな事件まで
引き受けているというか、呼び込んでいる。

古書店を舞台にするというと、
芳崎せいむさんの漫画の『金魚屋古書店』を思い浮かべた。
金魚屋も、ほのぼのできる話だが、
こっちのほのぼのは意味が違う。
大家族や、その周辺の人々が、
ギャーギャー言いながらも、いい感じにまとまっていて、
良きホームドラマというほのぼのだ。
ちなみに、この大家族は、勘一に、
その息子60歳ロッカー我南人。
我南人の長女・藍子(未婚の母)に娘の花陽。
長男・紺に、その妻の亜美に、2人の息子の研人。
次男・青(我南人の愛人の子)

この人は俳優でいうと、コレねと、
勝手な妄想も、おもしろく一冊で2度美味しい。
色々感想記事見て、同じ意見なかったんだけど
我南人には、清志朗をイメージしてしまうんだよな〜。
得に、背が高くもないし、金髪でもないのだけど。
そして多かったのが、内田裕也さん。
おお確かに、それっぽい。
ただ、あまり僕は知らない人なので…

まあ、妄想は、それくらいにしといて本編に。
語り部は、古書店主の堀田勘一の死んだ女房、サチ。
サチが、死人らしからず、
ハラハラしたり、笑ったり、実に人間味溢れた始点で
春夏秋冬と、影ながら家族を見守っている。
そんなサチの心配など、どこ吹く風かと
家族は、妙な事件に巻き込まれたり、巻き込んだり。

とにかく、この本は家族の話で、人情味溢れるホームドラマ。
事件も、凄惨なものはなく、大きなものでもないが、
解決した後、少し優しい気分になれる。

そして物語で、印象的だったのは、食事のシーンで、
そこから全て物語れる気もする。
わいわいがやがや、とにかく楽しく。
いってきます、いってらっしゃい、ただいま、おかえり。
騒々しいが、それが心地よい。
う〜ん、LOVEだねぇ。




posted by kakasi at 11:13 | Comment(2) | TrackBack(1) | 読書 「小路幸也」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年02月19日

『空を見上げる 古い歌を口ずさむPulp-town fiction』 小路幸也

空を見上げる古い歌を口ずさむ空を見上げる古い歌を口ずさむ

いいな〜。うん、こういう話好きだな。
兄さんに、会わなきゃ。
20年前に、兄が言ったんだ。姿を消す前に。
「いつかおまえの周りで、
誰かが<のっぺらぼう>
を見るようになったら呼んでほしい」

帯に惹かれて、読んでみた。
就活で実家に帰り、地元の図書館で読んだ本。
地元の図書館は、帯も貼り付けてくれるから
ついつい、読みたい気にさせられる本が出てきてしまう。
こういう心にくい気配りが好き。
そうそう、本の話に。

物語は、ほぼ兄の少年時代の回想になっている。
なので、ノスタルジックであり、不思議でワクワクする。
カタカナの町、パルプ町。
Pulp-townで繰りなされた、兄の思い出。

のっぺらぼう、という言葉だけでかなりの不思議な世界だが
途中から、さらにファンタジーに満ちるお話になる。

兄の見た、のっぺらぼう。
そしてボクの子供が見る、のっぺらぼう。
兄は、ずっとそのことを弟のボクにも内緒にしていて
そのボクの子供のために、長く、古い話を始める。

のっぺらぼうの、謎に関しては、
わかったようで、わからないような。
まあ、純粋なミステリーってわけではなく、
伝奇やファンタジーの部類のように思えて、
児童文学のようにも思える一面もあったりして謎に関しては、
そんなにはっきりさせてなくてもいいかなって思った。
だから、大人なミステリーを好む人には難しいと思うし、
タイトルから、ただ、ノスタルジーを感じさせる話を
期待した人にも厳しいかなと思う。
盛り上がると言えば、盛り上がるけど
こういう話で、そんな謎解き入らないとも感じた。

でも、僕はこんな、ある意味ぶっ飛んだ話は好きで
こういう雰囲気の話が好きだったりする。
のっぺらぼうという設定はぶっ飛んでいるが、
そこから、何も妖怪大戦争といったような
ぶっ飛び方はない。(ある意味、戦争にはなるのだが)
あくまでメインは兄の少年時代の話なので、
縮こまるとまで言わないが、パルプ町での
小さくて、暖かくて、勇気ある話だった。
posted by kakasi at 18:21 | Comment(62) | TrackBack(0) | 読書 「小路幸也」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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