2007年11月28日

『金子達仁 ベストセレクションU「伝説」』 金子達仁

金子達仁ベストセレクション〈2〉「伝説」金子達仁ベストセレクション〈2〉「伝説」

新聞や雑誌、もちろんテレビも含めて、
スポーツニュースが昔から好きで、
ヒーロー達の活躍に胸躍らせていた。

でも、そんなヒーロー達の表に出てこない苦悩。
そういうことが滲み出てくるような
スポーツライター金子達仁さんが書いた、過去の作品集。

金子達仁と言っても、正直僕は、あんまり知らない。
せいぜいサッカーの記事をたくさん書いている人くらいだ。
スポーツの記事を読むのは、好きだけど
はっきり言って、書いている人に注目してるわけでもない。
他にも、ミュージシャンや俳優の記事なんかにしろ、
書かれる対象は食い入るように見るが、
書いている人には、ほとんど目もくれていない。

だけど、こうやって一人のライターの書いた作品集を見ると、
注目する点や、対象との交友関係、入れ込み具合、人柄、
そういうもので、やっぱり作品の出来が違うものだと、
当たり前すぎることに対して、思い知る。

そして作品の内容は、伊達公子の18歳の頃や、
アトランタオリンピック、フランスワールドカップの頃の
川口能活や、中田英寿などと、もう10年ほど前の作品だった。
僕の記憶にないものや、薄っすらとしか残っていないもの、
あの選手のかつて、知らなかった素顔。
とりわけもう引退してしまったけど、
現在、スーパーサッカーに出ている小倉隆史の記事、
「あの階段の彼方に」

すごい選手だったが、ケガでボロボロになってしまった。
そんなことくらいしか僕は知らない、ケガ後のプレイしかわからない。
小倉と言ったら、無駄にハイテンションとしか思えないような
ニュースでの解説くらいだ。
でも、一発でそんな小倉への見方が変わってしまうような、
金子さんも、自分で最も好きなと語る作品。

やっぱり、素晴らしい記事で伝えてもらうと、
テレビや写真の映像だけでは、伝わらない、
取材対象への本質のようなモノに触れるような感覚がした。


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2007年09月13日

『対話篇』 金城 一紀

対話篇  対話篇

美しい国は、終わったかもしれないが、
美しい物語なら、まだまだ終わりはしない。

人との対話から生まれてくる、感情。
一瞬なのか、永遠なのか。
とにかく、その対話をきれいに切り取って飾ったような、
美しい物語だった。

「恋愛小説」「永遠の円環」「花」
3つの短編から構成される物語は、どれも印象深かったが、
やっぱりラストの「花」は格別だと思う。
まさに対話篇というのがピッタリくる。
人との対話、そして自分自身の心との対話。
明日に繋がる何かが見えてくるような話だった。

美しいと思える何かを、
ハッピーエンドでも、そうじゃなかったとしても、
綺麗ごとだったとしても、求めることは悪くないと思う。
今居る位置から、一歩踏み出そうとする心粋は、
わからないでもない。
それに振り回される人たちも、
何かを得たり、気づいたり、思い出したり、
決して悪いことばかりじゃなかったんだと思う。

綺麗に終われるか、ぐちゃぐちゃにされるか。
やっぱり結果にこだわる人もいるが、その過程も大切だと感じた。
だからといって、アレで、こんな結果はないよな。
と、この小説の感想以外のものを、ちょっとタイムリーに感じている。

そのタイムリーなもののヒントは、美しい国。
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2007年08月09日

『酸素は鏡に映らない』  上遠野 浩平

酸素は鏡に映らない (MYSTERY LAND)酸素は鏡に映らない (MYSTERY LAND)

「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」
ミステリーランドシリーズ。
これは、子どもだった僕のためのと、思えるような作品だった。

もちろん、少年少女のための本でもあると思うが、
時折入ってくる、特撮ヒーロー物のこととが一つ。
もう一つは、この本は、少年の頃読んでいた(今も読んでいるけど)
ブギーポップシリーズでもあるということ。
ブギーポップは出ないけど……
細かい内容や、人物は忘れかけているが、
ああ〜、いたなこの人とか、
オキシジェンがいい役だなとか思いながら読み進めた。
物語で、酸素は触媒と言っていたように、
主人公の少年のための触媒みたいなキャラだった。

書いていることといえば、いつもと変わらないけど、
不思議ではあるが、そんなに複雑な内容ではないことが、
作者の気遣いかなと思った。

そして、読んでいて感じるのは、
この作者は伝えたいことを持っているということだった。
生き方であったり、世界のことだったり。
論文やエッセイにしてみても面白いと思うけど、
たぶん小説というものが好きなんだと思う。
ブギーポップのシリーズでも、そんなような言葉があったことだし。

少年の活躍、ヒーローの存在、謎解き、出会いと別れ。
舞台は、いつの時期とかはっきりしないけど、
ひと夏の冒険といえるような、
この時期に読むのもいいなと思える本だった。
とはいえ、なにせ難しいことを言っていて、
ポカーンとするような場面があって、謎めいている。
読み手として、そういう部分を考えて、疑ったり、信じたり、
なんとなくでも感じ取ったりするようなところは、
大人だろうが、子どもだろうが、変わらないんだろうなと思った。






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2006年09月28日

「オシムの言葉 フィールドの向こうに人生が見える」 木村元彦

オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える オシムの言葉―フィールドの向こうに人生が見える

どうも、こんにちは。
同じ課題図書なのに、オシムの言葉だけ全て残され、
重松さんを始めとする、他の本ほぼ全て返品されたことに
売れ線という本に怨みさえ感じるkakasiです。

でも、まだなんとかブームといえばブームだし、
これからオシムさんの代表の結果しだいでは売れる可能性大、
そして波乱万丈の人生を送って、語る言葉もユーモアに富んでいる方
の本なら売れるだろうし、何よりおもしろい。

サッカー関係のノンフィクションのこういう形式の本は
元ジュビロの(元とかつけたくないけど)名波浩の
NANAMI 終わりなき旅』『名波浩 泥まみれのナンバー10』
くらいしか読んだことがない。
本人が書いていないということもあり、「泥まみれ」の方に近いかな。

このオシムの本は、オシムの半生を書かれている。
この本が出た時は代表監督になっていなかったので
ジェフの監督時代までのことが。
もちろん、ジェフ時代のことがメインになるのだけど
ユーゴの民族紛争のことが、痛ましい。
当時多くの民族を抱え込むユーゴの監督だったオシムが、
その当時に語るべき言葉の一つ一つに細心の注意と、
それでもリスクを犯しての、戦争の愚かさを説いているようにも感じた。

言葉は、人を動かすにも、傷つけるにも、
憎むにも恐ろしい効力を持つ。まるで呪いのように。
言霊とは、よく言ったものだ。
言葉には、何か不思議な力が宿る。
だから大切に扱わないと、誤解や攻撃を与えてしまうんじゃないか。
それが、厳しい時代背景があれば尚更のことに。
監督として多くの会見が開かれるが、
オシムは言葉の力を恐れているようだった。
だから、ユーモアを交えているかのようにさえ思えた。

選手には、厳しさと優しさとユーモアを。
家族には、無限の愛を。
オシムは、故郷に変えれば英雄的な人物。
日本でも、多くの人に愛され、慕われている。
そして、理解されている。
それは、とても幸せなことだと思う。

今、代表の監督となっても、
同じようならこんなに素晴らしいことはない。


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2006年05月12日

『陰日向に咲く』 劇団ひとり

陰日向に咲く 陰日向に咲く
ビギナーズ・ラックにしては上手すぎる。
あと二冊は書いてもらわなきゃ―――恩田陸(作家)

これを読んだら、これから劇団ひとりへの見方が変わってしまう。
普通におもしろい。いや、かなりおもしろい。
あと、二冊は書いてもらわなきゃ。

陰日向に生きるような、ダメ人生を生きる、5つの物語。
だけど、ダメな人生も愛おしくさえ感じれられる。
陰日向に咲いた、5つの花の人生という物語。

号泣するわけでも、腹のそこから笑うわけでもなかったけど
愛おしくて、暖かい。
劇団ひとりという人間の感性を、少しだが感じられた気がする。

最後のつぼみが、陰日向に咲く瞬間まで読んでやってください。
美しくなんかないかもしれないけど、きっと暖かい花でしょう。
名前も知らない陰日向の花だって、そこで生きている。
その生きた証を、目撃するための一冊。
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2006年05月09日

『パラドックス学園  開かれた密室』 鯨 統一郎

パラドックス学園  開かれた密室 パラドックス学園  開かれた密室

これはミステリーであり、ミステリーなんかじゃない。
これこそ大いなるパラドックス。
もし犯人を当てられる人がいるなら見てみたいものだ。
犯人を当てることなど不可能。
犯人はいて、いないともいえる。

コナン・ドイル、アガサ・クリスティ、モーリス・ルブラン…etc
挑戦的というか無謀な豪華キャストで送る、ミステリ作品。
本当におもしろい本ほど 壁に叩きつけたくなります

作者はこう語るけど、違う意味で読了後、本を叩きつけたくなる。
主人公の仮説も、この本の世界の仕組みも、
読者としては、置いてけぼりをくらう感が。
まさに、オールドミステリ・ファンの妄想。
まさに、ワンダーランド。
まさに、パラダイス。

それとこの小説は、パラパラ漫画つきなので、
是非パラパラめくってあげましょう。
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2006年04月13日

『オルフェの方舟―ブギーポップ・イントレランス 』 上遠野浩平

オルフェの方舟―ブギーポップ・イントレランスオルフェの方舟―ブギーポップ・イントレランス

久しぶりにライトノベル読みましたよ。
基本的に小難しい本以外は、ブログの記事にしていたので
過去ログ見たら、前回読んだライトノベルは、
ブギーポップシリーズの外伝にあたる、ビートのディシプリン。
結局、これしか読んでないじゃんって話。まあいいじゃん。

しっかし自分の感性が変化したせいか、京極夏彦なんかを読んだせいか
いまいち物足りない。
まあ、京極さんは例外中の例外ですが。
今まで(ここ数作では感じてないけど)の感慨深い読了感がない。
そういう意味では、過去シリーズで言うと、パンドラ、ペッパーミント、
ハートレス・レッド、ホーリィ&ゴーストなんかは好き。

前回までに膨大な複線を、一年ぶりのシリーズ新作なのに
一つもと言ったら大げさかもしれないが、全く消化してない。
物語も原点回帰とか言われたりもするけど、とりわけ面白みがない。
でも、好きだからこその暴言で、まだまだ期待しております。

あとがきは、なかなかおもしろかった。
そんなこと言ったら、
本当は、私は小説の方を読んでもらいたかったんだがね…
と言われそうなので、こっちの感想は割愛。

方舟は、ただ流れさるのみ。
なんだか物語の流れに乗れず、ただ方舟を見守っているというか
取り残された動物たちのよう
そんな気分。


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2006年01月22日

『レヴォリューションNo.3』 金城一紀

レヴォリューションNo.3 レヴォリューションNo.3


この作者の小説は、読んだのはこれで3冊目。
GO フライ,ダディ,フライそして、これ。
フライ,ダディ,フライのメンバー、ゾンビース、アギー、ヒロシ、ドクターモロー。
物語を作るには、キャラが良くないと、と感じられる、個性な面々。

そして読み思うのは
「俺の世界」
という一貫としたテーマがあるということ。
作者が、在日コリアンということも影響は、あると思う。
昨日、スマステーションでイサム・ノグチという
天才芸術家の特集をやっていたけど
その人は、日本とアメリカの混血ということで
才能があるのに、色々な差別や困難な出来事があった。
でも、最終的には、その才能を両国に認められた。
素晴らしいものを持っている人には、血なんて関係ないのだ。
自分の中の世界で生きる。文中の
「世界が、僕たちの世界が、正常に機能し始めた」

が、印象に強く残った。

誰に認められなくても、その中でも、必死に踊り続けてやる。
この世界を自分が愛せなくては、ならない。
そんなことが、この人の小説を読んで感じられた。
社会が認めないなら、革命を起こすしかない、とまで言いそう。
だから
「なにがあっても、踊り続けるんだ」


が、ラストを綺麗に飾ったんじゃないか?

そして、僕がこの人の物語が好きなのは、
映画や音楽の話を、ふんだんに使っていること。
細かいネタがとても好き。
あと、この人けっこう、頭悪そうな会話や、アホな表現を使うけど
かなりのインテリっぽい。
ところどころで、心を摑む台詞を入れる。
そこが、好き。
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2006年01月21日

『伊豆の踊子』 川端康成



読んだことがないけど名前なら
誰もが知っているような有名作読みました。
でも、読んだのは、一ヶ月くらい前なので細かいところは
あんまり、覚えていないのですよ。

僕は、踊り子や、旅芸人という職業もよくわからない。
それに、古い小説。物語は淡白。
「温泉宿」の方が、ドラマティック(あまり良い意味でなく)
「抒情歌」はもう、てんやわんやだが、とてつもない力を感じる。
伊豆の踊子は、あっさりしていた。塩ラーメンみたいな感じ。
透明感があり、大きなものは、はっきりしないが素材が良ければ、輝く。
なにより、しつこくない。

もし、社会的評価がなければ、もっとボロクソ言ってるかもしれないけど
ところどころ好きなとこはあるし、
付かず離れずのような、物語の距離感が良い。
また、今度読み返してみたら、感想も変わってるかも。

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2005年09月15日

『フライ、ダディ、フライ』金城一紀

フライ、ダディ、フライ フライ、ダディ、フライ


めずらしく現在進行形なヒット作の小説を買いました。
映画は、さすがに終了したとこも多くありますが、
小説でなら、まだまだ読めるチャンスがあります。
映画を見逃した人は、本を読もう!
実は、僕も映画を見逃した一人です。


おっさんの成長を見守るのがおもしろいです。
成長の話といえば、子どもか思春期くらいの少年とか、
よくて青年がほとんどだけど、
これは、おっさんの話。しかも47って…


でも、スンシンら、若さ溢れる少年たちのおかげで、
この文体のように明るく、ポップです。
相変わらず、多くの映画を引き出すところを読むと、
やっぱりこの人は、映画好きなんだなと感じる。
「GO」「フライ、ダディ、フライ」と映画化されたけど、
あまりつまらなかったという話を聞かないところを注目すると
作者もうれしいだろうと思う。


おっさんもいいけど、やっぱりスンシンがいい。
在日ってことは、作者もそれだけ力を入れる要素を持つキャラですし、
強さに加え、弱さも秘めている…と思う。
「敵ばかりじゃないよ」というおっさんの問いかけに
「ああ」と答えたスンシンが印象的だった。


この小説の世界は、厳しいし、嫌なやつらもいる、
だけど、良い奴らもたくさんいる。すばらしい!
こんな世界に飛び込んでいきたい。
両手を広げれば、翼も生えてきそうな、おっさんの飛ぶ姿を想像した。
どうしても、この表紙のおっさんの顔じゃなくて、
堤さんをイメージしちゃうけど…
殴られるし、血もでるけど、さわやかなお話でした。



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2005年09月04日

『GO』 金城一紀 

GO GO

2、3年前の高校生だったころ映画はみたことあるんだけど、
小説は未読でした。
映画も、うろ覚えになってきているので、ホントにな〜んとな〜く購入。

で、感想は、これすごいおもしろい!
在日の問題、いや人種という深い問題なのに、
軽く、ポップで読みやすい文体でノリやすく書いてあるので、
非常に読みやすい。
でも、なんだかんだ書いていることは、非常に重いテーマ。
文体と主人公の性格のおかげで、だいぶポップになってるけど
今まさに考えなきゃいけない問題だと思う。

あと作者が映画好きってことがよくわかる。
多くの映画のタイトルや引用がよくあるので。
そういえばなんかの雑誌で読んだけど、
毎日映画か、本を1つ見ていたと言っていた気がする。
「いつか俺が国境線を消してやるよ」
キザでいてカッコよくて、そしてクサイセリフだ。
でも杉原ならにあいそう。
作者の好きな、映画スターのような彼になら似合いそう。

名前って何?人種って何?国って何?
色んなことを偉い奴らに決められて、囲いの中の鳥のようになっても
俺は俺だ。全て関係ない!っていう強い意志を感じる。
No soy coreano, ni soy japones, yo soy desarraigado
(俺は朝鮮人でも、日本人でもない、ただの根無し草だ)

世の中で色んな人種の人、
特に他の国で生きる人々や、低い身分の人が苦しんでいる。
ただ、普通にそれを気付かないことのほうが多い。
あくまでブラウン管ごしのことだ。
だから、特別在日の人などに合った時言えることはない。
大変だねとか、辛いねとか、がんばれとか、
そんな同情はいらないだろうし。
そんなこと言わなくても、強い意志で進むだろう。
ダメなやつは、国に食い散らされるだけかもしれない。
だから進むしかない。そしてそれは、みんな同じ。

在日などの問題は、思っている以上に重い。
だからといって、やりたい放題させたら、大変なことが起きる、
でも、それを押さえ込めても何の解決にもならない。
それでも、彼らは進むしかない。僕らも進むしかない。
「GO!」そしてどこへ行くのだろう。
posted by kakasi at 22:08 | Comment(2) | TrackBack(2) | 読書 作家別 「か行」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月16日

『ビートのディシプリン SIDE4』 上遠野浩平

ビートのディシプリン〈SIDE4〉 ビートのディシプリン〈SIDE4〉

おっ! ビートの新刊出てるよ。
久しぶりだな〜って最終巻だ!!

内容がおぼろげなんだけど、ちゃんと冒頭にあらすじが書いてあった。
ついに終わりか、ビートも。
ってことは、ブギーポップシリーズ本格的にリターン?

ずっと謎だったカーメンという概念も、なんとか消化。
フォルテッシモvsイナズマも再び。
このシリーズバトルが多いので、ちょっとダレてたけど、
これならワクワクできる。っていうか最終巻だもん。盛り上がらなきゃ。
やっぱりオアシスライブを見に行った直後、
しかも「Morning Glory」も聴いたばかり
能力の「モーニング・グローリー」の名が出るたびに顔がほころぶ。
しかもラストは、「Don’t Look Back In Anger」で締める。
うれしいな、うれしいな!

過去と現在と未来を繋ぐということ。
これは、全てにおいての永遠のテーマだろうね。
ブギーポップのシリーズを見ても、時間率はバラバラ。
それを複数の巻で、過去と未来と現在を繋いでいるんだよね。
繋いでいるのは、ブギーポップと凪なのかな?
自分が生きてきたことと、今生きていることと、そして  
それはほんの少しかも知れないが、それでもこれから生きていくこと
それを繋ぐものは自分自身と、もうひとつ。
きっとビートにとっては、朝子になるんだろうな〜
信じるに値する存在として。

毎回この人は、自己の哲学っぽいことを書くが、
今回はこれが書きたかったんだろうな。
カーメン、スリー・オブ・パーフェクト・ペア、概念。
読み終わっても、思う。難しいな〜 非常に抽象的で

だが、やっぱり「ビート」は「ブギーポップ」の外伝。
最終話の後に載ってる「序章」
これはつまり、ブギーポップの最新シリーズの序章ですよね?
再びビートとブギーポップが合間見えるのか?
凪はやばいぞ今回!
九連内朱巳も出るのか?
ヴァルプルギスって凪?
ってことは、今巻で出た、アルケスティスが関係?

???ばかりだ。

巻を重ねるごとに謎が増えていく気がする。
とりあえず、ビートの連載ご苦労様(言うの遅いよね)
ブギーに期待です!
posted by kakasi at 23:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 作家別 「か行」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月17日

『硝子のハンマー』 貴志祐介

硝子のハンマー 硝子のハンマー


『青の炎』から4年半ぶりという今作。昨年出た本ですね。
1部、2部と別れているが、2部の方が好きです。
1部が悪いわけじゃないけど、2部の犯人の描写が、
どことなく前作『青の炎』を思わせる。
こういうの上手いな〜って関心する。
犯人の切羽詰った時の思考、行動、覚悟、そして過去が痛々しい。
肝心のトリックは、わかんねえよ、こんなの。
僕が、謎解き得意じゃないってのもあるけど、作りこんだな〜って思う。
前作から4年半も立てば、手も込むはずだ。

タイトルの硝子のハンマーの意味は、最後語られるが、
そこを読むと、やはり犯人がメインの小説だったと感じた。
あんまり詳しく言うとネタバレになるから、あんまり言わないが、
社会への風刺と言ったところですか。
1部の主人公的な榎本は、結局どんなやつだったのか、よく解らなかった。
なんか過去にりそうだけど、語ってないし。
最後まで読むとやっぱり食えない男だって思う。
この人、主人公でシリーズ化あり?
posted by kakasi at 21:35 | Comment(5) | TrackBack(0) | 読書 作家別 「か行」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする