2007年10月25日

『あかんべえ(上・下)』 宮部みゆき

あかんべえ〈上〉 (新潮文庫)あかんべえ〈下〉 (新潮文庫)

人情+ファンタジー+ミステリ。
しかも長編小説ということなので、
読み手は大人になってくるのが当然なんだろうけど、
ここはあえて子供に読んで欲しいと思える話だった。

読み終えて、色々感想が浮かぶのだけど、
解説の一発目に、自分の言いたいことが、はっきり書かれていた。
「健気」という一言。
主人公のおりんに向けられた言葉。
おりんの優しさと、素直さと、健気さ。
そしてそれは誰の心にもあるものだと。
人間賛歌とも言える、ホラーもあるが優しい物語。

キキ、メイ、千尋といったジブリキャラに感じるような、
暖かく見守りたくなるような気持ちで本を読み進めていた。
そして、そんな気持ちはこの本の中の人物も同じようだった。
悪い人がいて、世の中がいいことばかりじゃないから、
宝物のように、おりんを大切にする大人達に囲まれて、
おりんもその優しさに応えるかのように、動いていく。
時代物なのだけど、ファンタジー色と、
人の優しさ、少女の健気さを感じて、
ジブリの映画みたいに思えた。
だからこそ、アニメ化でもして、子供にも見て欲しいと思ったし、
大人にも受けるだろうと思った。

物語もそんなにこんがらがったものでもないし、
ミステリも、それほど強くないし、
なんとなく秘密もわかるものも多い。
幽霊もでるが、ホラーもきつくない。
なので、おりんの魅力がすごい引き立って、
おりんの中にある、優しすぎるくらいの思いが伝わってきた。
優しく、純粋な心は、他人を変える力がある。
そう感じた。
posted by kakasi at 00:38 | Comment(0) | TrackBack(1) | 読書 作家別 「ま行」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/62279455

この記事へのトラックバック

世界の終りとハードボイルド・ワンダーラン
Excerpt: 世界的にも高い評価を受けている村上春樹の傑作の一つです。  リアルな世界(ハードボイルド・ワンダーランド)と主人公の意識の中の世界(世界の終り)がパラレルに展開していく。  前半ではそれぞれの世界が別..
Weblog:
Tracked: 2007-10-26 21:55
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。