2007年07月21日

『さよなら妖精』 米澤穂信

さよなら妖精 (創元推理文庫)  さよなら妖精

哲学的意味がありますか?
とりわけ、そんな言葉が胸に響く。
遠い国からやってきた、少女マーヤ。
そして、帰る場所を告げずに、故郷に帰ったマーヤを探すため、
思い出だけを頼りに、居場所を探すための、心の旅路。

時代は、1990年初頭。
彼女の故郷の、ユーゴは独立運動が盛んだった。

日本の文化、海外の文化や、日常のちょっとした謎に彩られ
彼女と主人公たちとの、
ちょっとした異文化交流を秘めた、青春小説になっている。

マーヤは、もともと帰る予定も決められているので、
別れは、あらかじめ約束されたものになっている。
それは、彼女も望むことなので、誰にも止められない。
帰るユーゴが、その時、どんな状況だとしても。
帰った後、彼女がユーゴのどこに居るのか、探す行為も、
わかったからと、どうなるというものでもない。

力の無さ、自分という存在価値、やるべきこと。
どうしようもない、やるせなさを受けながらも、
何かできることはないかと、追いかける姿は、
哀れで、哲学的どころか、なんの意味もなく感じるけど、
主人公にとって、とても大切なことなんだと思った。

本の帯には、
忘れ難い余韻を残す
出会いと祈りの物語
と言葉が綴られている。
上に、僕は色々述べたけど、
まさに、この通りの出会い、そして祈りの物語。
そして、その余韻が、とても忘れられない。
posted by kakasi at 18:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 「米澤穂信」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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