2007年02月11日

『走れメロス』 太宰治

走れメロス 走れメロス

かならず帰ると ちかいを交わして〜
走るメロスは 風のように〜♪

という歌を小学生の頃歌った記憶がある。
だけど、普通の文章としては、初めて読んだ。
友人に何かオススメ本ある?
と、本屋で聞いたら、なぜか薦められたこの『走れメロス』
以前読んだ、太宰治の本は『人間失格』だったので
これほど清清しく、勇気づけられる作品に少し動揺した。

しかし、この本は短編集でメロスは、その中の一つに過ぎない。
『東京八景』『帰去来』では、
間違いなく自伝であろうというリアルさからの
その苦悩と、どうしようもなさに、絶望さえ感じた。
だけど、素晴らしい文学作品だとは思う。
最近で言うとリリー・フランキーも同じ感じなのだろうか。
ダメ男っぷりが、すぐれた作品を生み出す源なのか。
しかし、太宰は、リリーさんのそれより酷い。
両者ともだが自分の愚劣を自覚している分、タチが悪い。
そのせいで、僕らは感情移入してしまう。
いわば、保護者になってしまう。
思わず見守らずには、いられないのだ。

他の作品も良作で、やぱりすごい人だったんだなと思えた。
「ダス・ゲマイネ」「富嶽百系」「女性徒」
は、中でもお気に入り。
キリストとユダ。愛ゆえの苦悩を描いた「駈込み訴え」
ラストを飾る「故郷」も、とても読ませられる。
太宰治の生き方は、未だに好きになれないが、
作品は、好きになれそうだ。
誰だって、苦悩はある。
その苦悩を、さらけ出すかのように書いているのだから。
そこにシンパシーを感じられずにいられない。

すべての罪人は聖人 同じように表裏一体だ。
そんな歌を歌っていたバンドがいた。
誰だって心の中にルシファーがいる。
そいつには制御が必要だと。
posted by kakasi at 12:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 作家別 「た行」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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