2006年12月08日

『厭魅の如き憑くもの』 三津田信三

厭魅の如き憑くもの 厭魅の如き憑くもの

“まがまがしい雰囲気”

表紙からして感じられるが、
おどろおどしい、ジメジメする、不気味など
怪しげな空気をかもし出すホラーミステリー。

恐らく昭和初期〜中期辺りの時代設定で、
怪しげな風習の残る閉鎖的な地域社会。
その集落は、囚われているとも読み取れる。
それだけでも怪しげな空気がプンプンなのだが、
作者が後に、「神の視点」とも例えた文章の部分が、
より一層、和風ホラーの真骨頂とも呼べるような
まがまがしい雰囲気を作り出している。
正直、かなり怖い。
そして、こういう文の作りかたは、かなりおもしろい。
上手いな〜って感じた。

ミステリーなので結末は出ている。
探偵の役割を果たす主人公が、謎を解く場面は
京極堂シリーズの憑き物落としを連想させるが、
本当に憑き物は落ちたのかどうかでさえ、定かでない。
謎解きの場面は、二転三転としているので
カタルシスに欠ける気がして、
それが一層不気味で、おどろおどしく感じる。
果たして、これが結末なのかという印象を受けた。
それだけ、まだ何かありそうと思わされる小説だった。
まさに、囚われているというイメージを受けた。



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厭魅の如き憑くもの
Excerpt: 厭魅の如き憑くもの  を読む。三津田信三の本格探偵小説。「厭魅」は「まじもの」と読みます。  昨年、ホラー的本格という事で話題になった様なので、読んでみました。初・三津田信三。結構面白かったであり..
Weblog: たか@ヒゲ眼鏡の探偵小説趣味(古典派宣言)
Tracked: 2007-02-13 10:19