2006年11月18日

『グレート・ギャツビー』 スコット・フィッツジェラルド、村上春樹 訳

グレート・ギャツビー グレート・ギャツビー

美しくも儚い、人の心の移りよう。または、映りよう。
ギャツビーの精神は、一人グレートだった。

僕には、村上春樹の文体が、とても読みやすく、美しく感じる。
その村上春樹が、非常に美しいと語るこの作品。
僕には、原文を読めるほどの語学力もなければ、
小説を読むにあたる読解力というものも、
さほど優れたものを持っていない。
そのような、ごくごくありふれた一般人から言わせて貰えば、
とても親切で、美しい翻訳だった。
いささか、わかりにくいとこもあるが。
それでも、原文自体も、素晴らしいものだって感じられるものだった。
特に、最初と最期の部分は、愛おしいと思えるほどだった。

物語自体は、驚くことが待ってはいるが、
昨今の小説には、もっと衝撃的な内容など、ざらにある。
とりわけドラマティックとも呼べない。
または、時代に問いかけるような社会的な文学も多くあると思う。
だけど、引き込まれてしまう。
ああ〜良い小説なんだなって実感する。
古臭い小説のはずなのに、とても古臭く思えない。
『夏への扉』や、ビートルズの曲を今聞くのと同じ感覚だ。

村上春樹が、ものすごい絶賛する理由は、まだわからない。
いつか、僕がこの小説を絶賛する日がくるのだろうか。
人の心は、移ろいやすいから。
絶え間なく、僕の心が前へ前へと進むといいのだけど。
だからこそ我々は、前へ前へと進み続けるのだ。
流れに立ち向かうボートのように、
絶え間なく過去へと押し戻されながらも。

ある晴れた朝に、読了です。

posted by kakasi at 00:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 作家別 「海外」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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