2010年02月13日

『凍りのくじら』 辻村深月

凍りのくじら (講談社文庫) 凍りのくじら

ちなみに今日行った本屋ではこの本の作者の、
辻村深月フェアがやっていた。郷土作家らしい。
僕の地元では、漫画化の小山ゆうコーナーが、ず〜とある。
大河の影響で小山ゆうの『お〜い竜馬』が拡販されていた。
考えてみると坂本龍馬って少し不思議な人物だ。
幕末の時代での世界を見る視野と薩長同盟を成立させるバイタリティ。
剣の達人なのに銃を好む。効率を求める手腕。
と、話がずれてしまった。
今日僕が買った雑誌の中のドラえもん映画主題歌大全集の記事で
この作者の文が載っていた。
タイトルから連想できないけど、
この『凍りのくじら』はドラえもんの話であったりもする。

独特の主人公の心理描写が際立つ、女の子の小説というのがまずの感想。
八方美人でも実は孤独な女の子の物語。
だけど、みんなの前では普通というか、上手く溶け込んでいても、
自分の部屋に一人戻ると、暗くなってしまうなど、
表と裏の心があるのなんて皆そうだと思う。特に若い頃なんて。
そんな裏の心が、吐け出されている物語だから、
少し重くて、少し痛い。
だけど、少し共感できたりする。
解説では、そんな主人公に感情移入ができないと書かれているけど、
そんなことないと思うのは、僕がこの主人公よりだからだろうか。

主人公に感情移入できても、できなくても、
この物語に、取り込まれてしまうのだとしたら、
きっとそれはドラえもんのせいなんだと思う。
小さい頃は、お兄ちゃんのような、お母さんのうような、友達のような、
みんなのドラえもん。
そんなドラえもんが物語と読者を繋げている、少し不思議なSF。
それがこの『凍りのくじら』なんだと思う。

この本は半年くらい前に読んで、今は実家に置いてあるのだけど、
最近実家に帰ったとき、母がこの本面白かったよと言った。
どう考えても、この本は若い人向けの話なんだけど、
もう50近い母がこう言ったのは、ドラえもんが繋いでいるからだと思う。

少し不思議なロボットドラえもんの、
少し不思議な秘密道具を引き合いにして展開される物語。
少し不思議で、少し切なく、少し感動。
そして、とても面白かった。
posted by kakasi at 00:22 | Comment(2) | TrackBack(1) | 読書 作家別 「た行」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます。
久しぶりにTBさせていただきました^^
反映されていますでしょうか・・・

この作品、好きです。
まずドラえもんが大好きなので、各章ごとに秘密道具にちなんでいる事でぐいぐい引き込まれました。
理帆子は始め嫌いでした。
八方美人なところと、どこか見下しているところが。
境遇から仕方ないのかもしれないですけど。
話の展開は好きです。
最後は騙されました。
面白かったですよね^^
Posted by 苗坊 at 2010年02月13日 08:40
苗坊さんこんばんは。kakasiです。
トラックバックは反映されてます。
有難いです。

返事が遅くてすいません。
ドラえもんは、僕はそんなにいまは好きでないんですが、
幼い頃はやっぱり、毎週すごい楽しみに見てましたし、
映画も見に行ったりしましたし、好きでした。

物語に入っていくと同時に、
その時の気持ちも蘇ってきて、
不思議な気分でした。
もちろん、物語自体も好きです。
Posted by kakasi at 2010年02月24日 23:46
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/140970479

この記事へのトラックバック

凍りのくじら 辻村深月
Excerpt: 凍りのくじら オススメ! 藤子・F・不二雄をこよなく愛する有名カメラマンであった父、芹沢光が失踪してから5年の月日が流れた。 母はガンに冒され、余命2年と宣告されており、もうすぐその期限が来る。..
Weblog: 苗坊の徒然日記
Tracked: 2010-02-13 08:37
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。