2009年02月15日

『鬼のすべて』 鯨統一郎

鬼のすべて (光文社文庫)  鬼のすべて

鯨さんの作品といえば、ブッ飛んでいるが、
その独自の解釈から織り成す歴史の解釈が、たまらなく面白く、
どこか信じてしまいたくなるものばかり。
これまで読んできたものは、上記のような、
独自の歴史解釈を生かすための話の組み立て、
つまり、小説として物語を生かす、キャラクターを生かすより、
その歴史解釈のためのお膳立てのための小説というイメージが強かった。
しかし今回は、表紙から想像もできない本格ミステリーになっている。
ただし、本格ミステリー風味だったのだけど。
やっぱり、本命となっているのは鬼であり、
歴史というより、民間伝承の謎解き。やっぱり、鯨さんだな。

刑事の渡辺みさとは、友人の若江世衣子の死体を発見する。
それはあたかも鬼に見立てられた死体だった。
直後、鬼と名乗る犯人から犯行声明文が送られてきた。
「日本から鬼を消す」という言葉を残し
警視庁を去った男・ハルアキとともに、
みさとは鬼の正体を追う。

少しオカルト染みているが、あらすじだけは普通のミステリー。
事件の謎と共に、民間伝承上の鬼という概念の謎を追っていく。
二つの謎が、しだいに交差する様は、若干力業であるけども、
鬼に関するその解釈は、聞いたことがなくもないが、
その消し方、伝染の仕方というものが、鯨さんらしいな〜と。



posted by kakasi at 09:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 作家別 「か行」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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