2008年12月01日

『リピート』 乾くるみ

リピート (文春文庫)   リピート

久しぶりに読んだ本がこの『リピート』
タイトル通りの、いわゆる繰り返しの人生を扱ったもの。
その過去に還るという設定を選んで読んだというところに、
僕の弱い心であったり願望が垣間見られるが、
問題はそういうところでなく、面白いかどうかということ。
SFだけど、ミステリーの比率が強く、最後までドキドキさせられた。

このリピートの過去に戻るというのは、
記憶を持ったまま、十ヶ月前の自分に戻るというものだった。
作中でも何度も言葉を目にするが、グリムウッドの『リプレイ』の要素が強い。
そしてリプレイした十人が次々と死んでいくその不審さは、
『そして誰もいなくなった』まあ、これはあらすじくらいしか知らないが。
リプレイ要素は、今回の舞台を整えるためくらいなもので、
作品は完全なミステリーだと思う。
SF王道のタイムトラベルを期待して買った僕としては、
勘違いして感もあるが、そんなこと気にならないくらい、
このミステリーに引き込まれ、
次々と起こり来る運命、あるいは人為的なものに驚き、
過去に戻る人の心に困惑、そして共感をした。

人生は一度きりだから、人生なのであって、
繰り返されるならば、もはやそれはゲームのようなものだと思った。
繰り返すことも人生なのかもしれないが、
この物語では、そんなことを思った。

解説で、様々な過去に戻る、やり直すというパターンの作品が挙げられていた。
自分が見たことものあるだけでも、
『リプレイ』『君といた未来のために〜I'll be back』
『サマー/タイム/トラベラー』『バタフライ・エフェクト』
『時をかける少女』『七回死んだ男』
ちょっと毛色が違うがゲームのリセットという特性を生かした
『弟切草』『トルネコの大冒険』
などと、古今東西の作品を解説から振り返ると、
『リピート』は、そういった以前の繰り返し作品のように、
代表的な繰り返し作品と、とられないかもしれないが、
繰り返しの作品を統括したエンターティメント作品の傑作だと思う。

関連タイムトラベル作品感想リンク
『リプレイ』ケン・グリムウッド
「君といた未来のために〜I'll be back」
『サマー/タイム/トラベラー』 新城カズマ
『サマー/タイム/トラベラー2』 新城カズマ
「バタフライ・エフェクト」
「バタフライ・エフェクト2」
『スキップ』 北村薫
『ターン』 北村薫
『リセット』 北村薫
『七回死んだ男』 西澤保彦
posted by kakasi at 17:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 作家別 「あ行」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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