2008年11月08日

『クドリャフカの順番』 米澤穂信

クドリャフカの順番 (角川文庫 よ 23-3)  クドリャフカの順番

古典部シリーズの第三弾。
これまでのシリーズでずっと名前が出ていた、
カンヤ祭。いや、神山高校文化祭が行われる。

これまで、主人公の奉太郎のみの語りで物語が進んでいたが、
今回は、古典部メンバー4人の語りで物語が進んでいく。
4人のそれぞれの心情が見られて、それは楽しくもあり、切なくもあった。
おそらく、第一弾の『氷菓』からあったであろう、それぞれの人物の葛藤。
とりわけ、いつも活動的で、このシリーズでいう薔薇色というやつに
一番近いと思っていた人物。
福部里志のその思いは、なかなかに複雑だった。
『愚者のエンドロール』でも垣間見れたが、
今回ほど彼の決まり文句
データベースは結論を出せないんだ
この言葉が、これほど寂しく聞こえたことはない。

そういった、切ないエピソードが印象的だけど、
物語は、これまでにないほど面白く楽しい。
文化祭が舞台なのでお祭り騒ぎで、楽しいエピソードばかり。
里志の、数々の文化祭イベントでの対決であったり、
作りすぎた古典部文集『氷菓』の売りさばきであったり、
奉太郎の、わらしべ長者物語であったりと、
文化祭は退屈など感じさせない。
さらに、メインエピソードとなる怪盗十文字による、連続盗難事件。
4人のエピソードがパズルのように組み合わさり、
それぞれが、それぞれの役割を持って謎を追っていく。
さらには、奉太郎の姉も満を持しての登場。
文化祭の話だけあり、お祭り騒ぎであり、
盗難事件の結末は、祭りの後のような静けさが感じられた。

関連作品感想リンク
『氷菓』
『愚者のエンドロール』
posted by kakasi at 23:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 「米澤穂信」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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