2008年11月08日

『愚者のエンドロール』 米澤穂信

愚者のエンドロール (角川スニーカー文庫) 愚者のエンドロール

古典部シリーズ第二弾は、未完全な映画の結末を考えるというものだった。
作者は、バークリーの『毒入りチョコレート事件』への
愛情と敬意を持って書いたと語っているが、そちらは未読なので、
僕は、純粋に米澤穂信の一つの作品として読んだ。

今回は一冊まるまる、映画の結末を推理することに費やしていて、
読んでいても推理に熱が入る。
ああでもない、こおでもない。
そう考えながらも、物語に没頭してしまい、
僕としては推理はそっちのけになってしまった。
そうなるほど、面白い話だ。
クラスの文化祭のミステリー映画を作っている最中、
脚本を担当する女生徒が心労で倒れてしまい、撮影は中断。
よって映像は、一人の被害者が出たところで終わってしまう。
結末はもちろん、犯人もわからない。
その映像の続きを作るために、主人公の奉太郎ら古典部が推理していく。
脚本の女生徒がいっさい語らないので、これはわからない。
限られた映像だけで、謎を解いていく。
わからない。わからないから、気になる。
わたし、気になります
古典部シリーズの常套文句が出てくるわけだ。

そして青春小説としても、やっぱり機能していて、
薔薇色に憧れる、灰色な主人公が、自分の価値を認めるために、
苦心して出したその答えが、エンドロールへと繋がる。
これがまた、せつない。
心を痛めた女生徒の本当のエンドロールは何なのか。
僕も、とても気になります。いや、気になりましたと言うところか。

関連作品感想リンク
『氷菓』
posted by kakasi at 22:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 「米澤穂信」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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