2008年11月07日

『氷菓』 米澤穂信

氷菓 (角川スニーカー文庫)   氷菓

米澤さんのデビュー作であり、後にシリーズモノと続いていく
「古典部シリーズ」1作目『氷菓』
英語でYou can't escapeと小さく振ってある表紙の写真は、どこかの学校だろう。
古典部と名が付くだけに、高校生の話で、ミステリー。
いわゆる、日常の謎というもの。
派手さはないけど、見方しだいでは、とても面白しい。

ミステリーなんだけど、高校生活が舞台であるので、
必然的に青春小説のような、雰囲気を持っていて、無気力というか
やらなくてもいいことなら、やらない。
やらなければいけないことは手短に。
が、モットーな少エネな主人公といえども、
灰色なんかではなく、どこか青い春のようで、つまりは青春している。
別に、スポーツをしてるわけでもないし、恋愛してるわけでもないし、
個性的な周囲に引っ張られ、なし崩し的に、しぶしぶになのだが、
本人的には意外と気分悪くということもなさそう。
古典部なのに、古典には興味なく、姉の進めで入部しただけで、
みずから事件に突っ込むこともない。
だけど、どこか楽しんでいるとまでは言わないが、
悪くないといった感じで、逃げられないこの状況を受け入れているようにも感じた。
そして、だんだん自分の意識が変わっていることも受け入れている。
つまりは成長しているっていうことで、
その辺りが、やっぱり青春小説のように思える大きな部分かと思う。
もちろん日常の謎ミステリーとしても、楽しめる。
北村薫の「円紫さんと私」シリーズと似た印象。

小さな事件が積み重なって、
最後のタイトルにもなる「氷菓事件」は、この物語の集大成であり、
その解決は、古典部メンバーの皆の作品と呼べると思う。
まあ、実際作品になるのだけど、その辺りは次巻で。



posted by kakasi at 23:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 「米澤穂信」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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