2008年10月21日

『タイムスリップ明治維新』 鯨 統一郎

タイムスリップ明治維新 (講談社文庫)  タイムスリップ明治維新

鯨 統一郎のタイムスリップ2作目。
前回は森鴎外が現代にやってくるというものだった。
そこで鴎外がオレンジ色の髪の少女に助けられ、
元の時代に戻る方法を探すというものだったが、
今回はその鴎外を助けた少女が明治維新の始まる頃、
つまりは幕末にタイムスリップするというものだった。

どちらかと言うと、前作の方が好きなんだけど、
自分が幕末が大好きなので楽しんで読むことができた。
それにしても作者は前作でも『燃えよ剣』が出たし、
今回は『竜馬がゆく』が出てくるし司馬遼太郎好きなんだろうかな。

桂小五郎、高杉晋作、坂本竜馬、西郷隆盛、勝海舟etc……
彼らが、激動の時代を駆け抜ける
……というものとはちょっと違った趣があった。
主人公の少女の目的は、現代に戻ること。
鴎外の時は、自分を暗殺しようとした人物を判明させることが、
元の時代に戻る方法になっていた。
今回は、明治維新を起こした黒幕は誰かを探し出して、
正しい時代に進むように、自分たちが動いていくというもの。
未来からやってきたある人物が歴史を変えようとしていることを防ぐこと。
冒険譚であって謎解きのミステリー。

未来の人間が過去に行って歴史を変えてしまうというのには、
タイムパラドックスが付き物なんだけど、
この物語ではそれほど深刻でもなかった。
いや、深刻といえば深刻なんだけどそれほど切羽詰ったものとも感じられなかった。
なので、ちょこちょこ歴史を変えながら、正しい歴史の本流に乗せるという話に。
ラストでは鴎外の物語のように、やっぱり歴史は変わっている。
ありえないけど、これも一興。

おもしろき こともなき世を おもしろく

教科書通りでは面白くない。
型どおりの幕末の小説を期待していたわけでもないし、
こういった楽しみかたが出来るのもいいかなと思えた。

関連作品感想リンク
『タイムスリップ森鴎外』
posted by kakasi at 20:53 | Comment(2) | TrackBack(1) | 読書 作家別 「か行」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんわ。カキコありがとうございました。
もう読まれたんですね!
面白かったですよね^^
私も前作の方がすきなのですが、この作品も明治維新の時代がまるごと読めて楽しめました。
私はこの時代は決して詳しくないのですが、わかりやすかったですし、おかしな展開になったときも「え〜!?どうなるの〜」と引き込まれて読む手が止まらなかったですね。
鯨さんの作品は良いですね^^
Posted by 苗坊 at 2008年10月22日 22:49
どうも、苗坊さんこんばんわ。
ブックオフでシリーズまとめ買いしたので、
間が空かずに読めました。

前作で未来がちょっと変わってしまったということもあり、
今回もただ普通の歴史に戻るのではないから、
どうなっていくんだろうな〜と楽しめました。
リンカーンやノーベルは驚きでしたが、
何気に鴎外もいたところは、ちょっと嬉しかったです。
Posted by kakasi at 2008年10月24日 01:14
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タイムスリップ明治維新 鯨統一郎
Excerpt: タイムスリップ明治維新 (講談社ノベルス) 渋谷の女子高生・麓うららは、幕末にタイムスリップしてしまった。 時代を我がものにしようとたくらむ、小栗上野介によってゆがめられた歴史を、正しく進めなけれ..
Weblog: 苗坊の読書日記
Tracked: 2008-10-22 22:43