2008年06月21日

『やっぱりおおきくなりません』 白倉由美

やっぱりおおきくなりません (徳間デュアル文庫 し 2-2)やっぱりおおきくなりません

『おおきくなりません』の続編で完結。
大人になるための童話みたいなイメージの、
あったかくて、甘くて、陽炎のように儚い話だった。

「おおきくなること」つまり大人になること。
結局答えなんてなかった。
あってもそれはとても曖昧で、
昔々の通過儀礼を通ったとしても、結局それはただの儀礼で、
それぞれの心の中にあるんだなと感じた。

僕がこの物語で好きなところは、
必死におおおきくなろうと努力しているところだ。
まるで少女のような引きこもり暦10年の35歳。
現在女子大生になりましたの、このヒロインというか、
主人公が、このままじゃダメだとおおきくなろうとしているところだ。

そして、彼女がこんな言葉を発した。
「ねえ、月夜さん、私、少しはおおきくなったのかなぁ」
それに対して、この月夜が返した言葉が
「そうだなぁ。でも僕は
いつもおおきくなろうと努力している麻巳美が好きだよ」
この会話が、この物語の全てなのかもしれないと僕は思う。
たぶん人はずっと少しずつおおきくなっていく。
永遠に終わらない螺旋のように、ぐるぐる回っているようで、
少しずつおおきくなっていく。
そのための努力をやめてしまったら、おおきくならないかもしれない。
見た目ばっかりおおきく変わっていっても、心は変わらない。
でも、色んな出来事があって、人は変わっていく。
おおきくなっていく。
改めて、人間って良いものだなぁと僕は思った。
posted by kakasi at 01:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 作家別 「さ行」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。